Leadership Insight

チームとしてのパフォーマンスを向上させる3つのポイント

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2021/07/13

チームが成功するために必要なものとは?

変化の時代においては一人のカリスマリーダーの存在や、チーム内の特定個人の努力だけでは想うような成果が得られないことがはっきりとしてきました。また昨今では部門内で慣れ親しんだチームのみならず、組織横断的、そして時には社外のパートナー企業ともチームとなってアジャイルに成果を出すことが求められています。

どのような形であれ、チームワークを通じて成果を出したことがある人なら誰でも、効果的なチームワークの背後には、すべてのチームメンバーからのコミットメントを引き出し、様々な課題、時には利害が対立する議題を調整し、共通の目的の下に一致団結するという必要があることを知っています。

チームの「ライフサイクル」のどのステージにいるのかによって、対処すべき課題が異なり、また課題解決のために必要となる資源も異なります。

チームメンバーは自分たちが立っているステージ、そして対処すべき課題を理解し、何がうまくいっていて、そうでないものは何なのかを特定して解決策を考える必要があります。しかし、闇雲に「対話」を展開するだけでは、「その場の空気」は良くなるかもしれませんが、パフォーマンスに結びつかないケースが多く見られます。私たちは多くのリサーチによって、チームが取組むべき課題・ニーズには3種類あることが分かりました。「心理的安全性」や「エンゲージメント」という言葉を独り歩きさせるのではなく、以下の3つのニーズに取組むことで、より効果的・効率的にチームのパフォーマンスを向上させることができます。

1.PLANNING NEEDS:計画立案に関するニーズ

PLANNING NEEDSはチームが実行しようとしている行動を計画しているとき、または計画の実行直後の影響を評価する際に行われます。新しいチームが編成され動き出そうとするとき、最初の取組みがうまくいかずに再編成されたチーム、および困難に直面して困惑しているチームなど、たとえ異なる状況に置かれているチームでも混乱せずに以下の6つのPLANNING NEEDSに時間と注意を払うことで恩恵を受けます。

1. チーム憲章 ─ このチームは何を目指しているのか(全体的な目標)、その目的を果たすために必要かつ利用可能なリソースは何か、およびどのような制約条件があるのかが定義され、すべてのチームメンバーに共有されているでしょうか?

2. 指標 ─ 測定可能なチームの成果内容と関連する重要なマイルストーンは明確でしょうか?

3. チームの規範 ─ チームメンバーにどのような行動が求められるのか、行動規範は明確でしょうか?仕事を割り振るプロセス意見の対立が起きた際の解決方法など、日常的な問題をどのように処理するのかが予め決められているでしょうか?チームの規範は、メンバーが予期しない状況や複雑な状況に対処するのにも役立ちます。

4. タスク定義 ─ チームとして採用する問題解決のアプローチと目標を達成するために必要となる重要なアクションは決まっているでしょうか?

5. 共通の理解 ─ チームメンバーは共通の視点を持っていますか?「言わなくてもわかるだろう」という前提条件を言語化しないまま放置していないでしょうか?チームは、これから直面する課題や利用可能な経営資源についての理解、またはチームメンバー間の望ましい仕事上の二元関係に関するさまざまな信念の違い簡単につまずく可能性があります。

6. チームが持つ無形資産 ─ チームメンバーはこれから立ち向かいう課題に関して、どのような関連知識、情報、スキルを持っているでしょうか?過去に似たような課題に取組み、手痛い失敗経験のあるメンバーからの教訓を引き出すことはできるでしょうか?また各メンバーがそれぞれ持っている専門スキルはどのように可視化され共有されているでしょうか?

2.ACTION NEEDS:行動に関するニーズ

チームが行動しているとき(=目標の達成に直接つながる活動を行っているとき)、チームとして以下の6つに注意を払うことでパフォーマンスを維持・向上させることが可能です。

1. 進捗とアウトプットのモニタリング ─ 進捗状況をどのようにして確認し、チーム内に伝達するのかが決められているでしょうか?

2. 活動全体のモニタリング ─ 人、予算や情報といった経営資源の使用状況を確認したりを追跡し、利害関係者、市場、またはその他変化する外部要因の状況をモニタリングするための仕組みやプロセスは整備されているでしょうか?

3.調整手段 ─ チームはどのように主たる活動やイベントに優先順位を付けるのか決まっていますか?

4.コミュニケーション ─ チームメンバーが互いにオープンなコミュニケーションをとれるようになっているでしょうか?チームワークを通じて質の高いアイデアや情報交換を経験できるようになっているでしょうか?

5.チームメンバーの行動のモニタリング ─ チームメンバーへのフィードバックはいつ、だれがどのように行われるか、決められているでしょうか?

6.他の組織との連携 ─ チームの進捗状況やパフォーマンスなどの情報はいつ、どのように他の組織と共有されますか?

3.INTERPERSONAL NEEDS:対人関係に関するニーズ

1.モチベーションの醸成・維持・向上 ─ チームメンバーの一人一人は、自分のパフォーマンスに対して明確に説明責任を果たせるでしょうか?チームは団結していて、困難な課題に立ち向かう空気がありますか?

2.心理的安全性 ─ チーム内に相互の信頼関係はありますか?チームメンバーは互いに尊敬され、自分の意見・話が他のメンバーにいつでも聞いてもらえると感じており、自分の考えをオープンに話すことができますか?

3.感情のマネジメント ─ チーム内、チームメンバーそれぞれが持つ感情をどのようにマネージすれば良いでしょうか?挫折を経験したメンバー、なかなか成果が出せないことに不満を持つメンバー、さらに自信過剰になってしまっているメンバーの存在は、チームメンバーの間に感情的な緊張を引き起こす可能性があり、予め対処法を考えてくことが重要です。

4.対立解消手段 ─ チームメンバーの意見の違いをどのように解消すれば良いでしょうか?(心理的対立と認知的対立の区別はついていますか?)どのようにして個人攻撃を無くし、建設的な議論を巻き起こせるでしょうか?

 

いかがでしたでしょうか?チームのパフォーマンスを上げるための3大ニーズに普段から注意を払えているでしょうか?

「対話」、「コーチング」、「心理的安全性」という言葉ばかりが先行して、手段が目的化している組織、チームは本当によくあるものです。チームが計画段階にあろうと、具体的な行動を取る段階にあろうと、これらの一連のニーズ(対人関係を含む)を網羅的に理解し、必要なアクションをとることでチームワークを機能させ、高いパフォーマンスを上げることができるのです。