Leadership Insight

リーダーに対するコーチング:忘れてはならない6つの原則

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2022/01/11

ここ数年で“コーチング”はますます普及し、外部の専門家を招いて自社のリーダーに対するコーチングを提供してもらうというやり方から、自社内でコーチングを提供できる専門家を育成し、自社のリーダーにコーチングを提供するケースも増えてきています。外部のコーチング専門家は他社のリーダーの育成にも精通しており、ベンチマークやベストプラクティスの提供が可能というメリットもあり、「視野が広がった」、「社内ではなかなか気がづけないことに気が付いた」などのポジティブなフィードバックを受けるケースも多いようです。それでは、社内の専門家が社内のリーダーに対してコーチングを実施し、付加価値を提供するには何をすればよいのでしょうか? 社外のコーチング専門家のように新たな視点や視座を持ち込んで価値を出すという方法以外にもできることがあるのでしょうか?

リーダーシップ・コーチングの6つの基本原則

リーダーシップ・コーチングの6つの基本原則を使って、皆さんのオフィスや近くいる誰かをコーチングしてみましょう。

1.まずは、話しやすく、お互いにオープンにかついつもは言えないことも話し合える環境を作りましょう。

人は誰でも、自分のアイディアが試されるような経験が必要です。しかし、そのようなチャレンジの時に十分なサポートがなければ、信頼感や士気の低下につながり、ダメージを受けることになります。安全で協力的な環境を作るためには、自分たちの声がちゃんと届き、自分自身の想いや感情、価値観が理解されているという確証を与えることが必要です。そうすることで信頼を築き、正直で率直な意見を奨励し、コーチングの対象者が心理的に安心して仕事ができるようになります。リスクを取ることが危険ではなく、やりがいのあることだと感じられる環境を作るのは皆さん次第です。皆さんはできる限りオープンで偏見のない態度を取り、対象者の知識やスキルを測りながら、皆さんが彼らをサポートしていることを伝えましょう。(これは、当社のアセスメント-チャレンジ-サポート(ACS)™フレームワークの基本です。ACSを念頭に置いておくと、説明責任を果たすと同時に、必要なサポートを提供することができます。)

2.コーチが主役ではなく、コーチングを受ける側が主役であることを意識しましょう

コーチングセッションは皆さんのためのものではないことを忘れないでください。ですから、どの目標に取り組むか、どのように改善していくかまで、コーチングを受ける人に決めさせるようにしましょう。もちろん、対象者自身の課題が組織の目標と完全に一致するに越したことはないのですが、皆さんが個人的に優先したい事を押し付けてはいけません。皆さんから何かを主張しなければならない場合には、管理職者としてそれを伝えましょう。そうすることで、皆さんが苦労して築いた、特別なコーチングの協力関係は残したまま対応することができるはずです。

 

3.コーチングを受ける側の成長を手助けし、協力するようにしましょう。

常に質問で生徒を導いたソクラテスのように、最高のコーチは直接的な答えを与えたり、専門家を気取ったりはしません。コーチングでの会話では、相手のニーズに焦点を当て、自分の体験談や持論で会話を埋め尽くすことは避けましょう。問題に対処するための選択肢を皆さんからいくつか提案するかことはあっても、最終的な選択は対象者に委ねられるべきであり、皆さんはあくまでファシリテーターや協力者としての役割を果たすようにしましょう。

4.自己認識(self-awreness)を促しましょう。

コーチングを受ける人には、自分の長所と短所を認識する方法を学んでほしいと思いますが、これは優れたリーダーにとって必須のスキルです。それと同じように、コーチとしての自分の行動が周りの人にどのような影響を与えるかを理解する必要があります。コーチが自分自身に対する認識を示すことで、対象者も同じような自己認識を育むことができるでしょう。また、自己認識を高めるための方法を紹介するのもよいでしょう。

5.経験から学んだことを活かしましょう。

適切な経験を積み、そこから学ぶ姿勢を持っている場合に限り、人は学び、成長し、変化できるものです。コーチとして、対象者が過去の出来事を振り返り、何が良くて何が悪かったのかを分析できるように常にサポートしてあげてください。そうすれば、皆さんによるコーチングが終わった後でも、生徒は成長し続けることができるはずです。

6.最後に、コーチングしたことを実践しましょう。

コーチングの6つの基本原則のうち最後となるこの項目は、実現するのが最も難しいものかもしれません。というのも、皆さんが伝えようとしているリーダーシップの教訓を、クラスの外で実践するというものだからです。

 

もし皆さんが特定の問題に関するコーチングに自信がない場合には、より経験豊富な人にコーチングの対象者を紹介しましょう。できれば、リーダーシップ・コーチングの6つのコアとなる原則を皆さん以上に実践している人に紹介できると良いですね