Leadership Insight

Situation-Behavior-Impact(SBI)™(状況-行動-影響)モデルを使いこなして建設的に会話する

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2021/06/28

誰もが出くわす残念な状況

誰かにがっかりさせられたりということは誰にでもある経験と思いますが、そんなとき、皆さんはどのようなリアクションをするでしょうか?がっかりしてネガティブな感情を持ってしまうこともあると思います。
例えば・・・
『彼はチームプレーヤーではない・・・怠け者で、周りの人がどう思おうが気にしていない・・・しかもチームの厄介者であることにも気が付いていない・・・』

そして、このネガティブな感情に基いて次のような発言をしてしまうこともあるでしょう。『もう気にしないでおこう…他の誰かに任せてしまえばいい…とにかく責任を取らせよう…もう少しチーム内の規律を強化するか・・・』

人は他人にがっかりさせられたときにネガティブな感情をめぐらし、その感情に基いてさらに無意識的に妄想を膨らませてしまっていることに気が付いていないことが良くあります。私たちは他人の行動を見て、他の人が「なぜそうしたのか」を知っていると仮定し、それらの仮定に基づいて反応しているのです。

しかし、この妄想によるストーリー展開は、あまり生産的とは言えません。自分自身の頭の中でネガティブな感情を織り交ぜながら考えるよりも、状況を改善するためには、はるかに有効な方法があります。

その有効な方法とは当事者に尋ねることです。 そして、その当事者がもたらした影響を知らせる唯一の方法は、その当事者に話すことです。しかし、当たり前とも思えるこれらの重要な会話は意外にも実行に移されることは少なく、私たちは誤った仮定に基づいた誤解や行動のもつれの中で日々を過ごしているのです。

では、ある人がなぜ特定の行動をとったのか知るために、どのように、その当事者と会話をすれば良いでしょうか?私たちは多くのリサーチを通じて、SBIモデル:Situation-Behavior-Impact(SBI)™(状況-行動-影響)が有効であることを突き止めました。

Situation-Behavior-Impact(状況-行動-影響)とは?

私達の長年にわたる、かつ膨大なリサーチに裏打ちされ広く認識されているモデル、Situation-Behavior-Impact(状況-行動-影響)、略してSBIは、フィードバックを提供する側の不安を軽減し、フィードバックを受ける側の防御的・否定的態度を和らげることが証明されています。

SBIの方法はとてもシンプルです。Situation(状況)を把握して明確にし、観察された特定のBehavior(行動)を説明し、その人の行動が皆さん自身にに与えたImpact(影響)を説明します。 SBIフィードバックモデルは、皆さん自身が上司や部下と育成・開発プランを話し合う時にも非常に有効なモデルです。

チームメンバーへのフィードバックでSBIを使ってみる

SBIは、さまざまなタイプのフィードバックを提供するために使用できますが、例えば次のような例があります。

1. Situation(状況)

フィードバックを提供したいと思う相手が取った行動が起こった特定の状況を説明してください。
フィードバックを受ける相手にとっての混乱を避けるため、「先週」などの一般的・曖昧な表現は避けてください。
例:「今朝の午前11時のチームミーティングで…」

2. Behavior(行動)

実際に観察した行動を説明してください。
ここで重要なポイントはそれが「事実である」ということです。(皆さんが観察した行動は他の人も観察しているはずです。)皆さんの主観(意見や判断)を入れないように注意しましょう。
例:「君の態度は失礼だった」ではなく、「チームに1か月の予算について話しているときに話に割って入った」とすると事実であることを伝えていることになります。

3. Impact(影響)

その行動をとった結果を説明します。
あなたは何が起こったのか、つまりSituationとBehaviorを正確に説明してから、その状況で取られた行動について皆さんがどう思ったか、どう感じたかを説明しているので、聞き手はあなたが言っていることに耳を傾け、受け入れる吸収する可能性が高くなります。
Impactがプラスだった場合、「幸せに感じた」や「誇りに思う」などの言葉は、相手が取った行動が良い成果(Impact)をもたらしたことを強調するのに役立ちます。逆にImpactがマイナスの影響をもたらした場合、「問題と思っている」や「少し心配している」など言い回しを使ってフィードバックを提供します。
例:「私の提案に対して否定することなく、すぐに解決のために取組んでもらえた時には私は感銘を受けました」または「あなたが私が少し間をおいて考えている最中に何度も結論を出すようにせかしてきたので私はイライラしました。」

Situation-Behavior-Impact(状況-行動-影響):SBIの成功は、単に結果=Impactを伝えるだけの一方向のフィードバックに、Situation(状況)とそのSituationの中で相手がとった具体的なBehavior(行動)に関する情報が加わり、会話が双方向になると、より効果です。

もう一つのIを足す:SBIIで信頼を築く

フィードバックを伝える相手が取った行動の背後にある意図について質問することで、より効果的なフィードバックの会話をすることができます。フィードバックを提供するためのSBI(Situation-Behavior-Impact:状況-行動-影響)からSBII(Situation-Behavior-Impact-Intent:状況-行動-影響-意図)に拡張すると、会話を通じて、その人の行動の背後にあるものをより正確に知ることができます。

4. Intent(意図)

その人の行動の裏にある本来の意図について聞いてみます。
これにより、相手が意図していたこと(Intent)と実際にもたらした結果・影響(Impact)の間にあるギャップに注意を向けさせることができまるようになります。
例:「その行動を取ることで何を達成したいと思っていましたか?(何が達成できると思っていたのですか?)」

意図と影響を明確にする会話は、信頼と相互理解を深め、通常はすぐに改善できる点は何か?といった解決策に関する議論が開始されるという、いわゆるコーチングのスタート地点にもなりうるのです。

SBIまたはSBIIを意識して相手にフィードバックを与えることで、シンプルですが、より本質的なレベルでコーチングのための対話を行うことが可能になります。相手の行動を褒めると言ったポジティブな場面だけではなく、業績評価や懲戒の会話の中でSBI・SBIIを意識することで相手がフィードバックを受け入れ、解決策の立案と実行に向けてかなり前に前向きな態度を生み出せる可能性があるのです。