Leadership Insight

ED&Iへの体系的なアプローチによって組織文化を変えていく

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2021/12/20

2025年には、世界の労働人口の75%がミレニアル世代で構成されると言われています。これは、今後数年間でミレニアル世代が続々とリーダーシップの役割に就いていくことを意味します。また、エマージング・リーダーに関する調査から、将来の機会に向けて人材を惹きつけ、維持するためには、企業は意図的かつ戦略的に、リーダーシップへの公平(Equity)なアクセスを優先し、ダイバーシティ(Diversity)やインクルージョン(Inclusion)を促進する組織文化を創っていく必要があることがわかっています。

EDI(公平性、ダイバーシティ、インクルージョン)に根ざした職場文化の変革を成功させ、持続可能なものにするためには、リーダーは一歩下がって、現在の文化を動かしているシステム、プロセス、価値観を評価する必要があります。さらにシニアリーダーは、EDIを職場文化の変革プロセスに組み込むための新たな制度を構築し、調整する役割を担うことを約束しなければなりません。

シニア・リーダーシップによるこのようなコミットメントとオーナーシップがなければ、EDIの向上を目的とした職場文化の変革に向け、力を入れて取り組んだとしても、持続的な効果を生み出すことは難しいでしょう。

組織の文化を変えるには、体系的なアプローチが必要

体系的な公平性とインクルージョンの課題にうまく取り組み、意味のある職場文化の変革を実現するためには、組織はEDIの取り組みを複数の段階複数のレベルで評価し、アプローチする姿勢が必要です。

最近の評価では、組織がEDIの取り組みでまだ成果を上げていないことが示唆されています。グラスドア社の従業員エンゲージメント調査によると、黒人従業員の満足度は白人従業員に比べて8%低く、その差は2019年以降、さらに拡大しています。この数字は、組織の公平性、ダイバーシティ、インクルージョンへの取り組みが、個人やチームレベルで社内の現状と一致していない可能性を示しています。

さらに、新型コロナウイルスの流行により、職場の女性が不均衡に影響を受けており、その結果、職場における女性の進歩が後退し、長期的なジェンダーの公平性や女性と家族の幸福に悪影響を及ぼしています。

職場の文化改革を実現するためには、3段階のアプローチを行うことをお勧めします。

  • フェーズ1:現状とギャップや機会領域を特定し、成功のための明確な計画を立てる。
  • フェーズ2:つながりのある、調和のとれた形でリーダーシップを発揮することで、新しい考え方や行動の導入を促進する。
  • フェーズ3:ビジネス戦略をサポートするために設計された、強力で持続可能な文化に移行し、ベースラインに照らし合わせて進捗を評価する。

個人、チーム、組織におけるリーダーシップが文化を推進し、その文化は戦略、合併、事業変革を左右します。職場の文化を変えるための3段階のアプローチを活用すれば、個人、チーム、組織全体でのEDIに対する根本的な考え方、行動、態度を検証し、評価することができます。

EDIのためのREALな組織文化変革の実現

組織文化変革は、組織全体で取り組んでこそ初めて持続可能なものとなります。私たちが調査研究を基に独自に開発したREAL™フレームワークは、企業やコミュニティ、学校が、それぞれの組織のあり方や状況におけるEDIのダイナミクスを理解し、望ましい方向へ進めるために取るべき具体的な行動が何かを特定するためのものです。

関連する機会を明らかにする:最初のステップは、機会を特定することを指します。これは、アジェンダを設定したり、他の組織で効果があったと思われるダイバーシティの取り組みを再現することではありません。リーダーが好奇心を持ったり、オープンな心で物事を見ることができれば、地域、国、グローバルな視点から事実やデータ、歴史を検証し、個人、チーム、組織全体のEDIの状況を把握することができます。

公平性を育む:次のステップは、公平性を重視することを指します。公平性とは、すべての個人やグループがその可能性を最大限に発揮するために必要な資源や機会を、状況に応じて公平に利用できることを意味します。ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを持続可能なものにするためには、まず公平性に焦点を当てることが必要です

ダイバーシティを活性化する:このステップは、違いを認め、賞賛することを指します。そして組織や大きなコミュニティの中で、特徴、価値観、信念、経験、背景、行動などの違いを越えて結集することを意味します。

インクルージョンを実践してリードする:最後にして重要な4つ目のステップは、組織をリードする新たな方法を思い描き、実行することを指します。インクルージョンを重視してリーダーシップを発揮するには、すべて従業員、顧客、戦略的パートナーから有意義な形で真に参加してもらうために、積極的、意図的、継続的な取り組みが必要です。

4ステップのREALフレームワークについては、DEI(ダイバーシティ、公平性、インクルージョン)でREALな行動をとるための方法をご覧ください。

私たちは、より公平で多様性に富んだ包括的なチームや組織に向けて、考え方、行動、実践を変えるためのパートナーとなることができます。公平性、ダイバーシティ、インクルージョンの実践とソリューションについてはこちらをご覧ください。

このフレームワークでは、EDIを組織全体に適用する方法についても説明しています。なぜなら、職場の文化を継続的に変えるには、個人、チーム、組織全体など、すべてのレベルのリーダーが参加し、シニア・リーダーシップがそれをサポートする必要があるからです。

組織の文化を構築するには、リーダーをこの3層に分けて考えなければなりません。

  • 自分自身をリードする:一般社員、またはビジネスの成功に向けて自分自身が個人としてどのように貢献できるのかを管理する立場の人。
  • チームをリードする:チームの結果に責任を持ち、チームメンバーを通して仕事を成し遂げる立場の人。
  • 組織をリードする:複数の部門のビジネスの成果に責任を持つ組織のトップレベルの人。

リードする対象が自分自身、チーム、または組織全体かどうかにかかわらず、すべての個人が、自分の領域においてEDIに関連する職場文化を変える責任があるはずです。

REALフレームワークは、EDIを理解するためだけでなく、個人、チーム、組織にとってより公平で包括的なリーダーシップに向けて、考え方、行動、実践を変えるための具体的なリーダーシップのソリューションを提供します。

ターゲットモジュールトレーニングで文化を持続的に改革する

公平性、ダイバーシティ、インクルージョンを取り巻く課題は、非常に複雑な場合があります。CCLでは、この複雑さを段階的に分析し、組織のあらゆるレベルで応用できるような学習モジュールを設計しました。

  • 公平性、ダイバーシティ、インクルージョンとは何かという基礎知識を身につけるために、「REAL(本物の)リーダー」がそれぞれの影響力の範囲内で可能な限り積極的に公平性、ダイバーシティ、インクルージョンをサポートできる行動や言動とは何かを学ぶ、入門レベルのワークショップを開催しています。
  • そこから、REALのフレームワークの各構成要素を理解するための一連のトレーニングモジュールを、あらゆるレベルのリーダー向けに提供しています。当社のモジュールでは、各モデルの構成要素を3時間かけて深く掘り下げ、本物のリーダーとしての重要なスキルを学び、実践する機会を提供しています。
  • さらに、リーダーが自分自身、チーム、または組織全体など、それぞれの対象範囲をリードする際にこれらのスキルを応用できるようにするため、1時間の実践モジュールを作成しました。

以下がその内容の具体例です。

  • 自分自身をリードする際の機会の発見というモジュールでは、参加者は、自分を取り巻く環境の中で(個人的または職業的に)EDIに関連する状況を共有し、現在直面している機会についてより多くのことを発見できるように取り組みます。一般社員の立場にある人は、それぞれ異なる背景や関心事、感謝の気持ちなどを基礎とする質問を共に投げかけることで、EDIをサポートするために自分の立場からどのような行動を取ることができるか、またどのような結果が導かれるのかについて、多くのことを発見を得ることができます。
  • チームをリードする際のダイバーシティの活性化を目的としたモジュールでは、チームリーダーが社会的アイデンティティ・ネットワーク・マップを作成して、潜在的な障害や課題を特定し、チーム内の3つのシステムレベルで多様性を活性化するための具体的なアクションを作成します。
  • 組織の幹部が組織をリードする際のインクルージョンの実践を目的としたモジュールでは参加者は、戦略、人材エンゲージメント、職場環境という3つの分野における組織のインクルージョンのための取り組みを評価します。シニアリーダーは、この3つの分野におけるインクルージョンの取り組みの成功度を評価し、今後何を目指すかを明確にします。その後、参加者はグループ単位で、インクルージョンの推進要因である「つながり」、「勇気/脆弱性」、「リソース/投資」に基づいた戦略プランを作成します。

EDIの取り組みを計画から実行に移して、組織文化を持続的に改革する

残念ながら、多くの企業では、公平性、ダイバーシティ、インクルージョンへの取り組みが、望ましい結果や持続可能な職場文化の改革に結びついていません。

今、ダイバーシティについて考え、話し合うための新たな方法が必要とされています。そのためには、リーダーが、職場での公平性とインクルージョンを実現するための新しいスキルを備えることが必要です。そして組織では、ダイバーシティとインクルージョンの取り組みが、ありがちな間違いに陥ることなく、堅実で持続可能なものになるような、広く適用できるような方法を必要としています。

当社が独自に開発したREALフレームワークとトレーニングモジュールは、あらゆるレベルの個人が、組織内のそれぞれの範囲でのEDIのダイナミクスを理解できるようにするとともに、各リーダーが望ましい結果を導き出すための具体的な行動を特定することで、企業全体の公平性、ダイバーシティ、インクルージョンをさらに向上できるように支援していきます。