Leadership Insight

職場での“正しい自分の売り込み方”

LEADERSHIP INSIGHT / CCL | 2021/09/10

皆さん“自分の売り込み方”と聞いた時に、皆さんはどのように感じるでしょうか?皆さんが職場において最も優れたリーダーの一人であり、皆さんの仕事内容が素晴らしいものであったとしても、皆さんのスキルと成果は周囲から見過ごされるかもしれません。

リーダーとして更なる成長機会や挑戦の機会を得ようと思ったら、“自分の能力や成果を周囲に売り込む”必要性が出てくるかもしれません。しかし多くの有能で才能のあるリーダーは、“自分自身の売込み”が自慢している、またはこびているように感じてしまうことがあります。社内政治に精通している・組織人感覚を持っていることがネガティブな印象を持たれるのと同じように、“自分を売り込むこと”はしばしば否定的な見方をされます。今回のコラムではこの“自分を売り込む方法=セルフプロモーションについてみていきましょう。

通常、セルフプロモーションがうまく行われている場合(多くは言行一致している場合)自慢や媚びているとはみなされずに、リーダーとしての効果的なコミュニケーション、ネットワーキング、情報共有として解釈されます。これらはすべて、リーダーが持つべき非常に有効かつ尊敬されるスキルです。

職場でのセルフプロモーションが重要である理由

実は昨今、セルフプロモーションの重要性が増しています。

1.能ある鷹は爪を隠す、では通じない 変化の中で人々は忙しく、組織は専門分化しており、様々なテクノロジーが私たちの働き方を変えています。このような状況において多くの優秀な個人の持つ能力ややグループによる成果は、周囲の変化の中で見落とされる可能性があります。

2.成功の為には多くの人との関わりが必要 皆さんの上司は皆さんのスキルや成果のすべてを知ることはできず、またリモートワークの推進なども相まって、じっくりと話し込める対面時間は限られています。そして、上司だけに情報を共有し指示を仰いでいれば良かった時代は既に終わり、これからはダイバーシティの高い組織環境の中で、積極的に自己開示し、自らがどのような価値を提供できるのか、そしてどのようなサポートが周囲の人から必要なのかを発信しなければなりません。

3.生産性の高い組織におけるタレントリテンションの実態 「生産性の向上」は恒常的なテーマです。生産性の向上は個人だけでは成し遂げることができません。多くの人とつながり、それぞれがどのような役割を果たし、どのような成果を挙げているのかを見える化する必要があります。見える化がされていなければ、つまりはセルフプロモーションを行わずに自分や自分とつながっている人との価値を明らかにしておかなければ、万が一、業績悪化の際に目を付けられるのは自分たちなのです。

皆さん、皆さんのチーム、そして組織に利益をもたらすための自分自身の“見える化”

「嫌味にならない形で自分を売り込む倫理的なセルフプロモーションのガイドライン」が示す通り、セルフプロモーションは決して悪いことではなく、むしろ今こそ必要とされているリーダーシップスキルです。

しかし多くのリーダーは、真に優れた 個人的なリーダーシップブランドを構築することの阻害要因にいまも悩まされているのです。

ここでは、よくあるセルフプロモーションに関わる5つの誤解を見て、その落とし穴にはまらないようにしていきましょう。

1.セルフプロモーションをしなくても 「成果はそれ自体が物語るはずだ。」 皆さんがリーダーとして高い成果を出した場合、その成果が自然と組織内で語り草になり、伝播してくことを期待するかもしれません。しかし、真実は逆です。多くの良い成果は気づかれることなく消えていくのです。皆さんは皆さんが出した成果について、なぜそれが重要なのか、そしてそれが他の人にどのように役立つのか、組織全体にどのように貢献できるのかを人々に知らせる責任を負っていると考えるようにしましょう。

2. 「私の上司は忙しすぎて、私の話に聞く耳を持たない。」 部門で何が起こっているのかを知ることは上司の仕事の一部ではないでしょうか?彼または彼女に情報を提供し続けることによって、彼または彼女が必要とする情報を提供することは皆さんの重要な仕事の一つなのです。何がうまくいっているのか、どこで苦労しているのか、そして皆さんが成功するために何が必要なのかを上司に伝えてください。皆さん自身の業績と必要とするサポートについて話すことは皆さんの能力の更なる開発投資の公証であることを忘れないでください。

3. 「チームプレーヤーは手柄にならない。」 実際、自分自身を含めて、チームの誰がどんな価値を提供しているかの見える化はチーム全体に利益をもたらします。リーダーとしての皆さんは成果とその成果を挙げたチームの人々の能力を伝達することに熟練している必要があります。そのようなコミュニケーションの努力を通じて、逆に皆さん自身の能力にスポットライトが当てられる時があります。

4. 「自慢したくない。」 ものの見方、考え方を変えてみましょう。自分自身の能力をしっかりと周囲に宣伝することにより、他のプロジェクトやタスクフォースに取り組んでいる他人を助けることができるかもしれません。自分であればどのようにサポートできるか、どんな貢献ができるのかを説明してみましょう。

5. 「セルフプロモーションをすることに抵抗がある。」 理由は様々ですが、何人かの人々は自分自身の成果や能力について売り込むことを不快に感じます。 しかし、変化の時代にあって、自分は何者で何ができるのかを表明することはリーダーとして必要不可欠なスキルになっています。無理して自分らしさを失う必要はありませんが、自分自身の能力や成果を周囲に認識してもらえる有効な方法を探索し、確立しておくことはリーダーとしては避けては通れないものなのです。

自分にあったやり方で注目を集める方法

セルフプロモーションの重要性は分かったが、やはりまだ抵抗がある・・・そんな方は次のヒントを試してみてください。

  • セルフプロモーションが苦手、やってみるけどやりすぎである必要はありません。リーダーとして昇進する人々は、自分自身とそのグループが行った仕事・成果を周囲に知ってもらうことの重要性をよく理解しており、そのためにはいくつかの方法があります。会議で発言し、成功とその貢献度合いについて明確に述べ、上司や仲間とのコミュニケーションを改善し、目に見える役割を買って出てみるのです。まずは「自分がここにいる」ことを見落とされないようにしましょう。
  •  効果的なセルフプロモーションは、自分自身を捨てることではありません。実際、完璧なリーダーであろうとして取り繕った皆さんよりも、たとえ不完全であろうとも「皆さんらしさ」を失っていない本来の皆さんの方が周囲に受け入れられるでしょう。セルフプロモーションは大事ですが、自分らしさを失わない事、それは更に大事なことなのです。
  •  皆さんの強みとそれらが重要である理由を明らかにしましょう。皆さんがセルフプロモーションをしたとしても、それが的外れであった場合皆さんはたんなる誇大妄想の持ち主として認識されるでしょう。皆さん自身が誰であるのか、どのような強みを持っているのかの自己認識(self-awareness)が重要です。
  •  何を打ち出すのかをはっきりさせましょう。何を知ってほしいのか、どのような成果を認めてほしいのか、それを支える実際の成果物、スキル、経験、または知識を整理して、打ち出すものを決めていきます。自分自身の「細部へのこだわり」を知ってほしいのであれば、それを証明するような数値、細部の検討事例、そしてその細部への洞察によるリスクの洗出し実績などを前面に出します。
  •  正直でオープンに。セルフプロモーションとは、虚偽の情報や誇張された情報を述べることではありません。それは皆さんの仕事と努力について本物で率直であることについてです。
  •  良い面に目を向ける。 定期的な話し合いや定例会議では、問題や不満よりも成功やうまく行っていることについて話し合うようにしましょう。
  •  しかし、成功だけではなく、問題にも目を向けましょう。課題と問題箇所についても現実的は考えなくてはなりません。そうでなければ、皆さんの信頼性が損なわれます。
  •  皆さんの成功を要約して伝えること学んでください。人々は忙しすぎて皆さんのすることすべてを聞くことができません。
  •  自律的・積極的にチャンスを追うこと。皆さんが能力を発揮し、輝ける瞬間は待っていれば振ってくるものではありません。自分自身で自律的・積極的にチャンスを取りに行きましょう。
  •  情報を抱え込まないようにしましょう。情報を抱え込むのではなく共有しましょう。共有すればするほど、情報はより厚みを増していきます。
  •  ネットワークを拡げましょう。皆さんの取組みに直接的に関わる人だけではなく間接的に関わる人も巻き込みましょう。例えば、多くのの人々を会議に招待して、新鮮な視点から検討することサポートしてもらいます。経験豊富な人や年配の人からの洞察や意見を求めてみましょう。そうすれば、その人に結果を知らせ続ける正当な理由ができることになります。
  •  チームを宣伝します。チームの成果を紹介することは、チームメンバーが持つ能力や貢献を見える化し、ネットワークを拡張し、関係を構築するための最も有効な方法の1つです。皆さんの成功におけるチームの役割を認識し、高い業績を挙げた特定の個人にレコグニションを与えます。
  •  他人の手柄を横取りしてはいけません。決して他人の手柄を自分の手柄のように宣伝してはいけません。リーダーとしての皆さんは他者を尊重し、その成果を周囲に知らしめることが重要なミッションなのです。
  •  スポットライトが当たる場所に足を踏み入れてみましょう。やりがいのある業務、そして、周囲から注目される可能性の高いプロジェクトに取り組みます。皆さんの強みを示す状況で経営陣と対話する機会を探してみましょう。皆さんが周囲に知ってもらうことの努力をしないまま、周囲の人が自然に皆さんの成果に気付くことを期待しないでください。セルフプロモーションは、皆さんがしていることとそれが重要である理由との間の点を結ぶために必要なのです。事業部長や執行役員、社長といった組織内の意思決定者が皆さんの成果を自然と知るとは限りません。皆さん自信が高い成果を出している場合、皆さんなりのやり方で「自分とチームを売り込んで自慢する」ことができ、そしてそうすべきなのです。これらのポイントをおさえてセルフプロモーションをすることで自分自身だけでなく、チームや組織にもメリットをもたらすことができます。

事業部長や執行役員、社長といった組織内の意思決定者が皆さんの成果を自然と知るとは限りません。皆さん自信が高い成果を出している場合、皆さんなりのやり方で「自分とチームを売り込んで自慢する」ことができ、そしてそうすべきなのです。

これらのポイントをおさえてセルフプロモーションをすることで自分自身だけでなく、チームや組織にもメリットをもたらすことができます。