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2020/01/28第一回 HRBP機能強化の必要性

これから3回にわけて、弊社が昨年よりスタートした、人事部門向けのHRBPケイパビリティ・ビルディングのためのトレーニングサービスを紹介します。
 2019年、あるヘルスケア企業の日本支社の人事部門からトレーニングの依頼が舞い込んできました。その会社はグローバルに事業を展開しており、日本を含むアジアパシフィックの各国の人事部門のメンバーは、シンガポールで5日間にもわたるハードなトレーニングを受けていました。そのトレーニングには「戦略人事を実現し、ビジネスに貢献するために人事パーソンが押さえるべきエッセンスが満載」だったため、同社の人事部長は、英語で行われていたそのトレーニングを日本語化し、日本人のスタッフに広く提供することで、戦略人事としての共通言語を部内に作りたいとお考えになって、私たちに教材の日本語化と日本語でのデリバリーを依頼して来られました。

 早速日本語化に取り組んでみると、それは人事部門のメンバーをHRBP(HRビジネスパートナー)に育てるためのトレーニングプログラムでした。このプログラムをどのように開発したのですか、とお尋ねしたところ、そのヘルスケア企業と米国のAlignOrg Solutions社(以下AOS)が共同開発したものであるということを教えて頂きました。これまで20年以上に亘り多くの日本企業の人財育成・組織開発を支援してきた私たちは、その内容がとても新鮮であると同時に、日本の企業が再び世界で競争力を回復するのに不可欠なものであることをすぐに理解しました。そこで私たちは米国に本拠地を置くAOSにコンタクトを取り、彼らのサービスを日本で展開したい旨を伝え、業務提携することにしました。

 AOS社は四半世紀にわたって、経営者や事業部門に対するアラインメント・サービスと企業の人事部に対するHRBPスキルアップのトレーニングを提供してきました。特徴は、『組織開発はその企業の業績をあげるものでなければ意味がない・業績に直結するのはその会社の競争優位性である・日々の活動が変わらなければ出せる結果も変わらない』、という信念に基づき、戦略の明確化から組織開発をスタートし、人々の考え方、行動のし方を変えて、最終的には企業文化も変えてしまおうというアプローチです。
 HRBPが押さえるべき分野としては①組織設計、②タレントマネジメント、③パフォーマンスマネジメント、④報酬設計、⑤従業員とのリレーション、⑥HRのデューディリジェンス、⑦リクルーティングとスタッフィング、⑧アセスメントとコーチング、⑨学習と能力開発などの分野がありますが、これから紹介するのは主に①に関する方法論です。
 ゴールはただ一つ、戦略に組織と人財をアラインすることで組織の潜在力を最大限に引き出すことです。経営者や事業部門が実現したい、事業上の目標・ゴールを確認し、組織面、人材面から支援していくための一連の方法論であり、組織開発の手法です。

 日本では2010年以降、『組織開発』という言葉は企業の間に急速に広まりました。人材開発が一人一人の能力開発を指向するのに対して、組織開発の研究をリードしてきたウォリックによれば、組織開発とは「組織の健全さ、効果性、自己革新力を高めるために組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な過程」です。また、特に、人同士の関係の質を高めることが、思考の質を高めることにつながり、それがさらに行動の質を高め、結果の質を高めるという、別の組織開発の大家であるダニエル・キムの考え方に賛同する人は多く、対話=ダイアローグなどを通じて関係の質を高めるところから始める会社もかなり増えてきました。2019年、ラグビーのワールドカップが日本で開催され、日本列島は大いに盛り上がりました。勝つために我々は何をするのかについて、メンバーどうしが徹底的に対話を行うとき、上述のような連鎖が起こってまさに結果=勝ちにつながるのを目の当たりにしました。
 幅広く支持されているこの考え方が間違っているとは思いませんが、企業の中で、現場で対話を行なって関係の質が高まることで最終的に結果の質が上がる=企業の業績が良くなる、と考えるのは少し楽観的過ぎるのではないかと感じています。理由はいくつかあります。現場にある情報が断片的である場合が多いこと、広い視野、高い視座で考えられる人は決して多くはないこと、残念ながら社員がみな業績を上げることに熱心とは限らないこと、などがあるからです。そのような中で、心理的安全性が大切です、職場での人間関係を良くしましょう。みんなで車座に座って話し合いましょう、と現場目線で対話をスタートさせたところで、グローバル競争にさらされている日本企業の業績向上につながるとはとても思えないのです。

 AOSのアプローチは逆です。まず、経営者や事業部門長が実現したいと考えている成果、事業上のゴールを確認するところから始め、自社の競争優位性をどのように作るか戦略の明確化を行います。その戦略が確実に実行されるためにはどのような組織能力を開発しなくてはならないのか、その組織能力はどのような日々の活動から成り立つのか、その活動を起こし定着するには、どのようなプロセス、組織構造、情報、KPI、人材、評価基準、報酬など「組織」を構成する重要な要素をどのように設計する必要があるのか、予め用意されたフレームワークを使って効果的な議論を行い、順序だてて一つずつ決めていくことで、企業変革(トランスフォーメーション)を確実に前に進めるアプローチです。明らかに人中心ではなく、戦略に組織と人材を合わせていく、という考え方です。適材適所=人に合わせて役割・仕事を与える、というよりは、「適所適材」=戦略実現に必要な役割・仕事を設計し、それに合う人材を社内だけでなく外からも引っ張ってくる、という考え方です。

 このように書くと「なんだかとても米国的だ」と感じる方も多いと思います。ですので、このサービスは、強く支持してくださる方とそうでない方に分かれるものと想定しています。毛嫌いされてしまうかも知れません。でも皆さんに考えて頂きたいのは、日本的な経営手法でこの30年間うまく行ったのか、ということです。平成元年、世界の時価総額トップ50社の実に6割以上を日系企業が占めていました。それが、平成31年時点では42位にトヨタが登場するだけです。日本企業の存在感はかなり薄れました。一方で企業内に目を向ければ、団塊の世代、新人類、バブル世代、就職氷河期世代(ロスジェネ世代)、ミレニアル世代と、価値観の違う世代が入り混じり、日本人の中だけでもダイバーシティは進んでおり、組織の一体感は薄れています。若い世代のキャリア意識も変わり、自己の成長のためなら積極的に転職することも厭わないという今、人中心に事業を組み立てることが本当に有効なのでしょうか?我々はこれまでのマネジメントの仕方をゼロから見直すべき時期に来てしまっていると考えています。(しかも残されている時間はそう長くは無いと感じています。)

第二回はこちらから

 日本の企業はそれぞれ独自の強みをもっているはずです。その潜在力を引き出し顕在化するためには企業のHRBPの方々がこれからお話しするような手法を使いこなして、組織全体を見直し再設計することが極めて重要であると考えています。第二回では組織のマクロ設計の手法を、第三回では、組織のミクロ設計の手法についてご紹介します。より詳しくお知りになりたい方は、2月18日に弊社のセミナールームで実施する、HRBPトレーニングの説明会にご参加ください。ただし、ご参加して頂けるのは企業の人事部・経営企画の方のみに限定させて頂きたくご了承頂ければ幸甚に存じます。

2月18日開催 HRBPトレーニングの説明会概要・申し込みについてはこちら

・日 時:2020年2月18日(火) 14:00~16:00
・参加費:無料
・対象者:事業責任者、経営企画部長、人事部長
・会 場:インヴィニオセミナールーム(日比谷線神谷町駅徒歩5分)
東京都港区虎ノ門5-11-1オランダヒルズ森タワーRoP1208

※ご参加は人事部・経営企画の方のみに限定させて頂きたくご了承ください。同業・競合企業の方のご参加はご遠慮ください。

>>HRBPとは(専用サイトはこちら)