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2020/02/12第三回 組織のミクロアラインメント

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 マクロアラインメントのステップで、戦略を実現するために必要となる組織能力とそれを実現するための日々の活動が特定できたら、その活動が日々確実に行われるよう、6つの要素を整合的に設計するステップが組織のミクロアラインメントです。
 「組織」にはいろいろな要素がありますが、ミクロアラインメントでは①業務プロセス、②構造とガバナンス、③情報と測定指標、④人材と報酬、⑤継続的改善、⑥リーダーシップと企業文化の6つの要素を取り上げ設計します。この6つの要素が戦略と整合している(アラインしている)ことが大事であり、整合させる鍵は「設計の順番」、つまり、①から⑥までを一つずつ順番に設計することが鍵である、というのがアラインオルグの考え方です。特に①の業務プロセスを設計することを最重視しています。
 組織の諸要素を考える上で、マッキンゼーの7Sは有名なフレームワークですが、7Sは設計の順番について何も示唆を与えてくれないので役に立たないというのがアラインオルグのスタンスです。
 なぜ上記の順番で考えることが重要なのかを説明します。

①業務プロセス
戦略を実現するための組織能力、その能力を発揮するための活動が特定できてもそれだけでは不十分です。具体的にどのような流れでその活動を推進するのか、日々の仕事の流れを作って示さないと、現場は動きません。日々の活動が変わらなければ出せる結果は変わりませんから、まず業務プロセスの設計に時間をかけます。最初にこれをやって、次にこれをして、さらにその次にはこうする・・・というのを描いてあげて初めて現場は動くことができます。カスタマージャーニーを描きながらどこでどのような価値をお客様に提供することが自社の差異化、競争優位性の構築につながるのか、そのために自分たちは何をするのかを明確にします。

②構造とガバナンス
仕事の流れが決まると、どこからどこまでを一つの組織でやるのが効率的・効果的かが見えてきます。この仕事とこの仕事は、求められる知識・スキルが似ているので同じ人が連続でやった方がいいね、とか、この仕事はとても専門性が求められるので別の人が専門的に掘り下げてナレッジを深めた方がいいね、というように、仕事や人をどの塊でグルーピングするのが良いかが見えてきます。業務プロセスが決まることで、組織構造のあり方や誰がどの範囲の意思決定を行い、責任を負うべきかを決めることができます。ボクソロジー(組織図の箱いじり)の世界では、新しい業務プロセスを話し合うことなく人の名前を思い浮かべながら組織の箱を決めてしまいますが、そうしてしまうと、異なる結果を出すための異なる活動が現場で実施されるかどうか担保されません。

③情報と測定基準
 構造とガバナンスが決まると、ある仕事の塊、人の塊(=チーム)に責任を持つ人が、その責任を全うするために、どのような情報を集め、どのような指標を使って業務の流れを把握し、PDCAを回すのかが議論できるようになります。KPIをどのようにするのかなどはこの段階で初めて決められるようになります。

④人財と報酬
 とくに新しい戦略が打ち出されたような時には、ここまでの議論をしてくると「あれ?この部分、今いる人材でできるかな?」という疑問が湧いてくることがよくあります。そうなると人の育成を行ったり、外部から人を採用したりするなどが必要になります。①〜③までが決まることで、人材の議論ができるようになります。新しい能力が必要なときや外部から補給することが不可欠な場合には、報酬をどうするのかについても決める必要が出てきます。人材育成のあり方について議論ができるのもこの段階になってからです。

⑤継続的な改善
 ①〜④が決まることで、重要な要素は固まりましたが、外部環境は常に変化しています。一度作った業務プロセスがいつまでも有効ということはありません。どのようなタイミングで①〜④までを見直すのか、予め決めておいたり、そもそも外部環境の変化に柔軟に対応する仕掛けを業務プロセス自体に埋め込んだりするのが⑤継続的改善です。

⑥リーダーシップと組織文化
 新しい仕事の進め方や、責任範囲、権限、求められる知識・スキル、改善の仕方などが決まることで、新しいプロセス全体を推進していくためのリーダー像も定義することが可能となります。また、従来のやり方とは異なる新しい業務の進め方=顧客や競合を意識したプロセスを実践することで、これまでとは違う組織文化が形成される、というわけです。

 戦略(これから何をするのか)と組織・人材(これからどうあるべきか)を繋ぐのは、新しい戦略を可能とする「(差異化のための)組織能力(Capabilities)」とそれを実現する「(差異化のための)活動(Activities)」です。これを明確に定義することで初めて有効な組織設計が可能となります。
 先日ある大手企業のCHROに、アラインオルグの提供する組織設計のサービス=組織図の箱の設計ではなく、戦略の明確化から始まり、戦略を実現するための組織能力と活動を明らかにし、組織の6つの要素を順番に設計するアラインメントのプロセスを支援するサービスのご案内をしたところ、「でも今、優先順位が高いのはパフォーマンスマネジメントや評価制度の再構築、そしてタレントマネジメントだ」とその方はおっしゃいました。
 みなさんはもうお分かりかと思いますが、社員にどのようなパフォーマンス(成果・結果)を上げてもらうことを期待するのか、何を評価指標とするのか、何ができる人を「タレント」と呼ぶのか、それらは結局、戦略実行に必要な組織能力と活動を定義して初めて明らかになります。これからのリーダーシップ・コンピテンシーや、人材育成の体系、役割定義などを考える場合も同じです。これらを規定するのは、これから求められる組織能力(Capabilities)とこれから実施しなければならない活動(Activities)です。
 ぜひ経営者や事業部門長とそのことを共有し、組織の諸要素の設計を行う際には、能力と活動の議論からスタートしてください。ただし、戦略人事とは言っても、みなさん自身が戦略を構築する必要はありません。適切な問いを投げかけ、彼らに戦略の不明確な部分を認識してもらい、彼らにこれからの組織能力や活動が何であるか、自ら解を導くように仕向けていくのがHRBP(HRビジネス・パートナー)の重要な役割です。アラインオルグはどのような課題に対して、何を議論して何を合意すべきか、100種類におよぶテンプレートを持っており、またHRBPがどのような投げかけをすべきか、質問集やファシリテーションマニュアルを整備しています。HRBPのスキルアップにむけてぜひ導入をご検討ください。

 インヴィニオでは、これからもHRBPや組織アラインメントに関する情報を定期的に発信して参ります。どうぞご期待ください。

【2月18日開催 HRBPトレーニング無料公開セッションのご案内】
日本の企業はそれぞれ独自の強みをもっているはずです。その潜在力を引き出し顕在化するためには企業のHRBPの方々がこれからお話しするような手法を使いこなして、組織全体を見直し再設計することが極めて重要であると考えています。より詳しくお知りになりたい方は、2月18日に弊社のセミナールームで実施する、HRBPトレーニングの説明会にご参加ください。ただし、ご参加して頂けるのは企業の人事部・経営企画の方のみに限定させて頂きたくご了承頂ければ幸甚に存じます

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・日 時:2020年2月18日(火) 14:00~16:00
・参加費:無料
・対象者:事業責任者、経営企画部長、人事部長
・会 場:インヴィニオセミナールーム(日比谷線神谷町駅徒歩5分)
東京都港区虎ノ門5-11-1オランダヒルズ森タワーRoP1208

※ご参加は人事部・経営企画の方のみに限定させて頂きたくご了承ください。同業・競合企業の方のご参加はご遠慮ください。

>>HRBPとは(専用サイトはこちら)

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